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2013 カンヌライオンズ広告祭 グランプリのまとめ(1)

6月16日から22日にかけて世界一著名な広告祭である「カンヌライオンズ」が行われていました。60周年となる今年は過去最多、総勢92カ国から35,765ものエントリーがありました。

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カンヌでは計16部門あり、それぞれにゴールド/シルバー/ブロンズに分かれた「ショートリスト」賞が複数選ばれ(部門によってその数はまちまち)、そしてグランプリが1(もしくはジャンル別で2)作品選ばれます。今回は各部門の紹介とともに、それぞれの部門のグランプリを2回に分けて紹介したいと思います。

カンヌライオンズ2013のホームページはこちらです。http://www.canneslions.com/

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それでは紹介していきます。順番は発表順ではなく、ホームページに載っている順です。まずは、こちら。

【1. FILM LIONS – フィルム部門】

こちら最初に紹介していますが、実は1番最後に受賞された部門です。カテゴリーは大きく分けて、A.  テレビ&映画:商品/サービス B. インターネット動画 C.  その他フィルムに分かれています。時代によってデジタルサイネージ、インタラクティブメディアなどと媒体の幅は広がっていますが、コンテンツをなんらかの動画で消費者に届ける、いわゆる広告本来の作品に対するアワードといえます。グランプリは2つ選ばれました。1つ目がこちら:

メトロ「Dumb Ways to Die」(オーストラリア/McCANN,Melbourne)

こちらは後ほど何度もでてきますが、今回異例の5部門でグランプリ受賞を記録しました!!

メトロの事故防止用に作られたCM。ブラックジョーク満載ですがゆるいキャラクターでなんか愛くるしい。なんでしょうね、確かに耳に残る音楽ですが..にしても5部門はすごいです。後ほど詳しくとりあげます。

 

もう1つのグランプリはこちら:

INTEL+TOSHIBA「The Beauty Inside」(アメリカ/PEREIRA & O’DELL,SanFrancisco)

http://www.youtube.com/watch?v=eZexxFi9GTk

こちらはキャンペーン動画6つで1つのエントリー。毎朝違う人として起きる主人公アレックスのお話。中身は同じ人間でも、毎日目覚めると別人の身体に生まれ変わってしまいます。そんな苦悩の持ち主がある日、女性に恋します。しかし、次の日になっては自分の容姿は変わってしまう、どうしたらいいんだー、という一連の動画。何がすごかったというと、毎日見た目が変わってしまうということは裏を返せば誰でも主人公を演じれるということです。facebookでこの主人公を演じた動画を募り、実際にこのキャンペーンに「主人公を演じる一般ユーザー」を組み込んでいったのです。発想の転換ですね、これこそSNS時代の広告といえます。こちらは計3部門でグランプリを獲得しました、また後ほど紹介します。

 

【2. FILM CRAFT LIONS – フィルムクラフト部門】

こちらは フィルム部門に比べ、よりディレクション、編集、プロダクション、音楽等技術的なところに注目した部門です。グランプリはこちら:

CHANNEL 4「Meet The Superhumans」(イギリス/4creative,London)

http://www.youtube.com/watch?v=kKTamH__xuQ

パラリンピックの予告動画です。障害をもつアスリートを“The Superhumans = 超人”と表現し、一つ一つの身体の動きを描いています。かっこいいですねー日本でいう日テレあたりがこんなかっこいい動画を制作するのを想像できますか?最後の整列してるシーンとかは本当に海外ドラマ「heroes」を彷彿させます。

 

【3. PRESS LIONS – プレス部門】

こちらは動画ではなく、印刷媒体の広告が対象の部門です。全部門の中でエントリー数が最も多いプレス部門ですが、その中でグランプリは「雑誌」カテゴリーのこちらの作品でした:

 iPad mini「TIME」「SURFER」「WIRED MAGAZINE」「New yorker」「WALLPAPER」(アメリカ/TBWA MEDIA ARTS LAB,los Angesls)

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ページの大きさに対して、あえて右下隅っこに配置したIPad mini。こちらがリリースされた際、面白いと思ってついtweetしたのを覚えています。誰が見ても一目で「従来の製品より一回り小さい新製品」ということを効果的にPRできる、とても素直な広告だと思います。

 

【4. OUTDOOR LIONS – アウトドア部門】

こちらは大きく分けて A. ビルボード B. ポスター C. アンビエント(その他屋外展示、フライヤーなど)に分かれて受賞されます。この部門で見事グランプリをとったのは:

IBM「Bench」「Shelter」「Ramp」(フランス/Ogilvy,Paris)

こちらは3エントリー合わせての受賞です。

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先を少し丸めて座れる、もしくは屋根代わりににできるポスター。景観を崩すことなく、機能的でちょっぴり嬉しい仕掛け。これは今までになかった、ワクワクするアイデアですね!

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こちら階段部分には直接ポスターの一部をかぶせてスロープにしています。エコフレンドリーかつおしゃれですね。

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コピー「Smart ideas for smart cities」もいい感じですね。個人的にすごく好きな作品です。

 

続きまして、

【5. RADIO LIONS – ラジオ部門】

こちらはその名の通り、ラジオで流れる広告に対する賞です。

こちらのグランプリはフィルム部門同様:メトロ「Dumb Ways to Die」(オーストラリア/McCANN,Melbourne)

(動画:1. フィルム部門参照)

でした。Dumb ways to die 強しですねー。映像関係なく、耳に残るメロディーだけでも受賞できてしまうのは驚愕です。

 

【6. DIRECT LIONS – ダイレクト部門】

こちらは少し複雑ですが、ターゲットとなる消費者を絞って、何か具体的な行動をとらせることを成功した広告に送られる賞です。こちらのグランプリもこの作品でした:

メトロ「Dumb Ways to Die」(オーストラリア/McCANN,Melbourne)

(動画:1. フィルム部門参照)

このキャンペーンはメルボルンの地下鉄で実施され瞬く間に話題となり、YouTubeで4300万再生+(カンヌ終了後は5000万再生を突破)、Facebookではシェア数 300万+、公共広告(PSA)として歴史上最もシェアされた広告となりました。さらにウェブサイトには「駅でdumb(馬鹿なこと)はしません」という誓約ボタンが設けられ、100万人がそれに参加しました。結果としてメルボルンメト構内の事故は21%も減ったそうです。

 

【7. PROMO & ACTIVATION LIONS – プロモ&アクティベーション部門】

こちらはダイレクト部門に近いのですが、消費者に具体的な行動を即座にさせることに成功した広告に送られる賞です。グランプリはこちら:

SPORT CLUB RECIFE「IMMORTAL FANS」(ブラジル/Ogilvy,Sao Paulo)

ブラジルのクラブチーム「Recife」の熱狂的なファンが「死んでも」ファンでありたいという思いから、ドナー登録を促すキャンペーンです。このキャンペーンでなんと54%増しの登録者数を記録したそうです!サッカーファンはスポーツ界の中でも熱狂的サポーターが多い分、こういったムーブメントを世界中のチームで募れば面白そうですね(イギリスのサポーターの多くは賛同するんじゃないかと思います笑)

今年はこのように、社会的意義が高い作品(=ソーシャルグッド)が多くグランプリを獲得したといえます。

 

【8. MEDIA LIONS – メディア部門】

この賞のポイントは「use of media = メディアをいかに効率的に使って消費者を動かすか」です。クロスメディアという言葉がありますが、テレビ、街頭広告、サイネージ、モバイル、紙媒体と多くのメディアを上手に使う作品が選ばれます。グランプリはこちら:

DELA 「Why Wait Until It’s too late」(オランダ/Ogilvy & Mather,Amsterdam)

http://www.youtube.com/watch?v=YTwCDj3Ui24

DELAはオランダの葬儀保険会社です。「大切な人には、手遅れになる前に想いを伝えましょう」をコンセプトに、そのメッセージをサプライズでそのままCMにしたり、屋外広告にしたり、新聞にしたりと、この賞に相応しく複数のメディアを横断するプロモーションだったと思います。

 

長くなってきたのでとりあえずこのポストはここまでにします。

また次のポストで後半のグランプリを紹介していきたいと思います。

(追記)

後半はこちらです→ http://kensmac.com/cannes_grandpri2/

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