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2013 カンヌライオンズ広告祭 グランプリのまとめ(2)

カンヌ広告祭が閉幕してはや2週間経ってしまいました。

やや鮮度は落ちますが、グランプリ受賞作品の後半を紹介していきたいと思います。

グランプリまとめその1はこちら→ http://kensmac.com/cannes_grandpri/

cannes_lion

 

それでは続きいってみましょう。9つ目の部門はこちら。

【9. Cyber Lions – サイバー部門】

こちらはウェブサイト/デジタルキャンペーン/  アプリなどと細かいカテゴリーに分かれていますが、複数のメディアを横断的に使用したコンテンツが多くみられました。グランプリは2作品選ばれました。1つ目がこちら:

INTEL+TOSHIBA「The Beauty Inside」(アメリカ/PEREIRA & O’DELL,SanFrancisco)

http://www.youtube.com/watch?v=-7bG5wo95jI

こちらは以前紹介したフィルム部門でもグランプリをとりましたが、後に紹介するブランドコンテンツ&エンタメ部門にもグランプリを獲得しました。「Dumb ways to die」に続くグランプリ数です。

もう1つの作品が: OLEO DAILY TWIST(アメリカ/DRAFT FCB,NY)

こちらはオレオの100周年を記念したキャンペーン、世の中のあらゆるニュースやカルチャーにオレオが浸透していくというものです。過去のその日に起こった事件や記念日などを商品で表現したコンテンツを展開していきました。バズのきっかけとなったのが6/25「ゲイパレードの日」にローンチしたレインボーカラーのオレオです。レインボーカラーはゲイの象徴とされ、企業側からすれば誤解を招く恐れもあるため避けられがちですが、そこにオレオが(あえて?)踏み込み話題を作りました。そこで終わっていたらネガキャンのままかもしれなかったのですが、それを第一弾としてファンに親しい話題にまつわるオレオを発信続けました。「Can Oreos become the next Google Doodles? =(記念日ごとに変わる)Googleのロゴみたい!」というコメントからも分かるように、SNSを中心に大きく話題となりました。オレオはニュースを反映しただけでなく、ニュース自体を生む事に成功したキャンペーンになりました。

 

続いて

【10. MOBILE LIONS – モバイル部門】

今や我々の生活に欠かせなくなったモバイル端末を中心にしたコンテンツを対象にした部門です。iPhoneやAndroidだけでなくフューチャーフォン等も視野に入れた作品がグランプリを受賞しました:

SMART COMMUNICATION「SMART PUBLIC AFFAIR」(フィリピン)

先進国ではiPadで授業をしているという例もありますが、貧困層にはiPadどころかテキスト本すら変えない家庭も少なくありません。そんな人たちの元に残されたフューチャーフォンに、教科書の情報を入れたSIMカードを無料配布するというキャンペーンです。こちらは既に所有している端末だけで勉強できるという点が良いですね。フィリピンにとって初のグランプリ受賞となりました。

 

続きまして、

【11. DESIGN LIONS – デザイン部門】

こちらは2008年に設立された比較的新しい部門です。単なる広告だけでなく、グラフィックデザインやデジタルデザインなどで「ブランドと消費者とのコミュニケーションを補完するデザイン」が評価対象になります。グランプリ受賞されたのはこちら:

AUCHAN「The Selfscan Report」(ドイツ/Serviceplan,Munich)

スーパーのレシートにモバイルをかざすとそのバーコードを読み取り、レポートにしてくれるシステムです。デザインが今流行りのフラットデザインライクで見やすいですね。ちなみに制作したドイツのServiceplanは、去年も”The Solar Report Annual”でDesign Lionグランプリを獲得し、2連続の受賞となりました。

 

お次ぎは

【12. PR LIONS – PR部門】

PR手法に注目して、個人とパブリックとの関係性にフォーカスした部門です。パブリックを意識してかどうか、社会的に良いとされる運動/キャンペーン等が多い部門でした。グランプリはこちら:

メトロ「Dumb Ways to Die」(オーストラリア/McCANN,Melbourne)

またまたきましたね。こちらの詳細は1つ目のエントリーを参照して下さい→ http://kensmac.com/cannes_grandpri/

それにしても耳に残るメロディーです。

 

【13. TITANIUM AND INTEGRATED LIONS – チタニウム&インテグレーテッド部門】

こちらは元々チタニウム部門が2005年に設立し、2年後にインテグレーテッド部門がくっついて設立されきました。こちらの部門は他の部門と少し異なり、対象となるカテゴリーは設定されていません。(公式ページには「There are no categories in Titanium and Integrated Lions. The idea is everything, whether it’s for a car or toothpaste, telecommunications or charity, big budget or low budget.= チタニウム&インテグレーテッド部門にはカテゴリーがありません。アイデアは全てです、自動車でも歯磨き粉でも、電気通信でもチャリティーでも。予算があってもなくても」とあります。)つまり他の部門にエントリーした時点で、こちらの部門でもエントリーが完了する、いわゆる「ボーナス」賞のようなものでしょうか。

チタニウム賞には:

Unilever「REAL BEAUTY SKETCHES」(ブラジル/Ogilvy Brasil,Sao Paulo)

この作品はどこかにグランプリ受賞されるであろうと期待を背負いながらなかなか受賞されず、ようやくチタニウム部門での受賞となりました。(PR部門、プロモ部門ではそれぞれゴールドを受賞しています)

犯罪捜査の似顔絵師が本人の説明にしたがって彼女たちの顔が描いていきます。その後他人の説明を元に同じ女性の顔が描いていきます。描いた後にそれらを本人の前で並べてみると、本人の証言で描いた顔は本人に似付かず、他人の証言を元に描いたほうがより自然で本人に近い、美しい顔になっていました。自分で自分を説明する際どうしてもネガティブが誇張されたり、本来の姿を再現させるのは難しいようです。”You are more beautiful than you think. = あなたはあなたが思っている以上に美しい” というタグラインも素敵ですね。

 

インテグレーテッド賞は、またしてもこちら:

メトロ「Dumb Ways to Die」(オーストラリア/McCANN,Melbourne)

今年は「Dumb Ways to Die」の年だったといっても過言でないほど、最後の最後まで全部もっていきました感がありますね。

 

【14. BRANDED CONTENT & ENTERTAINMENT LIONS ブランドコンテンツ/エンターテイメント部門】

こちらはブランドやコンテンツに適したメソッドで消費者にメッセージを届けることに成功した作品に贈られる賞です。

こちらのグランプリは、フィルム部門/サイバー部門に引き続きこちら:

INTEL+TOSHIBA「The Beauty Inside」(アメリカ/PEREIRA & O’DELL,SanFrancisco)

主人公の顔が毎回変わる+誰でも主人公になれてしまうという発想の転換勝ちですね。詳細は【9. Cyber Lions – サイバー部門】を参照して下さい。

 

【15. Innovation Lions – イノベーション部門】

こちらは今年から開設された最も新しい部門です。開設の裏には今年からIntelが公式スポンサーになった為というなんとも商業的な理由もありますが、次世代の技術をうまく宣伝効果にとりいれた作品に贈られる賞です。グランプリはこちら:

CINDER「Software Technology」(アメリカ/The Barbarian Group,NY)

こちらは主にビジュアルデザイン向けの強力なC++ライブラリが評価されたそうですが、先行として長年存在するoF(オープンフレームワーク)とそんなに変わらないんじゃないかという議論もあるそうです。

 

いよいよ最後です。ここまで読んで頂いた皆様ありがとうございます。(長かったー

【16.CREATIVE EFFECTIVENESS LIONS – クリエイティブエフェクティブネス部門】

この部門のみ、過去のカンヌライオンズにおいて入賞かショートリストに入っていないとエントリーできないという特殊ルールがあります。ゆえに、非常にレベルの高い作品が世界に向けてどれだけ効果(= effectiveness)があるかを再評価するための賞です。ここではこの部門を最後に書いていますが、(ホームページの搭載されてる順)カンヌでは1番最初に受賞されていました。栄えあるグランプリはこちらです:

ハイネケン「LEGENDARY JOURNEY」(オランダ/W+K,Amsterdam)

ハイネケンシリーズは見てて気持ちよい作品が多いのですが、こちらも次々と流れるようなアクションが見るものを釘付けにします。舞台裏の動画も必見です。:http://www.youtube.com/watch?v=WHSS31Ls7LQ

 

以上、2回に分けて全16部門のグランプリを紹介しました。いかがだったでしょうか。日本のカンヌの話題はPerfumeが全部もってった感さえありましたが、面白いクリエイティブがたくさんありました。それぞれの部門の違いが微妙〜なものも多く、この部門にこの作品かなあ?って思うような受賞もいくつかありましたが、概ね納得いく受賞だったと思います。グランプリの多くは「社会的に良い(=Social Good)」なものが多い結果となりましたが、個人的にはサイバー/ブランドコンテンツ&エンタメ/フィルム部門で3冠を受賞した INTEL+TOSHIBA「The Beauty Inside」は発想の転換がすごく好きで、チタニウム部門を受賞した Unilever「REAL BEAUTY SKETCHES」 も響くものがあったと思います。

しかし言わずもがな、最後に頭の中でループしてるのは「Dumb ways to die~♪」のフレーズです笑

 

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